puripuritaroの日記

絵を描いてる男、安田拓郎の雑記。

「嘆きのピエタ」を観た。

火曜日に、借りたDVDをツタヤに返すついでに、新たにDVDを5本借りてきた。

SRサイタマノラッパー

渇き

危険なメソッド

冷たい熱帯魚

それから、「嘆きのピエタ

だったのだけど、一週間レンタルで、なかなかどれも観れず、昨日ようやく時間ができたので、まず、嘆きのピエタから観ることにした。

 

嘆きのピエタ』(피에타, 英題: Pietà) 2012年

監督 キム・ギドグ 韓国

以前から、「ラースフォントリアーが好きならキム・ギドクはいいと思う」と人に勧められていたのもあって、気になっていたのだけど、なかなかみる気にはならなくて、今回ようやく観ることになった。

話は前に観た「息もできない」と同じように、借金の取り立て人の話だと聞いていたので、似たような話だと思っていたけれど、共通する部分もあったけど、それよりも内容はかなりエグい。

まあ、タイトルからしてもろにそうなんだけど、内容はキリスト教的な贖罪に関する話で。

 

主人公のイ・ガンドは、「ちょっと、こんなやついるか?」っていうレベルで冷酷な取り立て人で、平気で取り立てた先の相手の手首を刃物や工具で「バーン!」してしまう。障害者にして、補償金で借金を、っていうアレらしいんだけど。この辺が、息もできない、の主人公のサンフンとは違うところで、サンフンは暴力的だけど、なんだかんだ憎めないやつで、実在感ありありなのに、ガンドはちょっと超現実的なくらい冷酷なのだ。

そんなガンドの前に、生後間もなく自分を捨てたはずの母親が現れて、奇妙な共同生活が始まるっていう話なんだけど。

 

以下、若干のネタバレ含みます。

 

 

前述の「息もできない」と共通する部分として、暴力的な男が、愛を知って、罪の意識と情に目覚めていくっていうところだけども、「嘆きのピエタ」の場合、暴力がより重いため、この場合の罪の自覚もより強い。これが、キリスト教的なテーマにもつながっているんだろうけど。露骨にキリスト教なシーンといえば、ガンドが「母親」に、自分の肉片を切って食べさせるシーンがあったりもする。

さらに、最後の、贖罪も、サンフンは、自分の選択ではないのに対し、ガンドは、自分の意思で選択して、より強烈な贖罪をつける。

 

っていう、全体的に、重い話だったし、かなり面白い映画だったけど、何度も比較するようだけど、実在感っていう意味では、「息もできない」派かなあ、自分は、という感じですかね!