puripuritaroの日記

絵を描いてる男、安田拓郎の雑記。

「SRサイタマノラッパー」を見た。

見たのは先週の月曜日になるのだけれど、ずっと気になっていた、「SRサイタマノラッパー」を今頃見た。見る前からライムスター宇多丸氏の批評とかは聞いていたのだけれど、なんとなく、「他人に何かを伝えることのかっこ悪さを言ってる話」なんじゃないかと思ってた。

 

実際、見てみたところ、想像以上に良かったというか、個人的にはかなり身につまされるところが多い話だった。ネタバレとかするのもなんなので、内容にはあまり触れないでおくけれども、基本的にドコメディで、暴力シーンとかもほとんどないんだけれども、ラッパー志望の主人公たちに突きつけられるのはある種の、「自分たちには言いたいことを伝える手段がない」という、これ以上ない暴力的な現実だったりする。

 

これ、何かしら表現したいタイプの人間は一度は経験したことがあるのではないのだろうか。絵が上手い、という人でも、授業中の落書きが成績につながることはないし、クラスメートに褒められる絵は当たり障りのないことを描いた絵で、本当に描きたいことを描いたら大体キモチ悪がられる(そしてそれはギャラリーの場でも大差ない)。歌が上手い、ギターが上手いという人も、自分で曲を作るよりも、コピーバンドをやってるほうが普通ははるかにウケるだろう。

 

自分の言いたいことを言う、と決めた瞬間、その時に無防備になるしかない自分と、それが他者から見れば滑稽でしかないというその状況、それでも言いたいことがあるから言うんだ、っていう、色々自分の状況と重ね合わせて考えてしまう作品でした。

 


SR サイタマノラッパー(予告編)